京都の紅葉シーズンは、とても多くの観光目的の方でにぎわいます。紅葉で有名な名所は、人が多すぎてゆっくりできないこともありますよね。そんな経験のあるあなたに、今回は京都人にも意外と知られていない、紅葉をゆったり無料で楽しむことができる穴場スポットを紹介します。実際に、ブログ運営者が行ってまいりましたので、智積院の紅葉の様子と見どころを一緒に確認してみましょう。
写真家の方も紅葉の穴場スポットとして、写真を撮りにくることがあるそうだよ!
智積院の基本情報
智積院は、京都市東山区にある真言宗智山派の総本山の寺院です。現在では全国各地に約3,000の末寺があります。また、弘法大師の教えの「継承・発展」に力をそそいだ興教大師(覚鑁)のゆかりの地で、根来山内の寺院の一つとして創建された寺院です。
末寺は、本山の支配下にあるお寺のことだよ。
智積院の歴史
智積院は、1200年以上前からの長い歴史があります。弘仁7年(816年)に真言宗の宗祖である弘法大師空海が、真言密教を広めるために開いた道場がはじまりです。
真言宗が大きな勢力として力を持つタイミングで、学頭寺院(僧侶の教育機関)として学問を授ける最高指導者の役割を担っていました。しかし、戦国時代には武将の対立による焼き討ちや、火災にあうことも。
真言宗を信仰する方々の想いから、何度も再興されています。現在でも、真言宗の教えをしっかりと伝えている寺院です。境内全体はきれいに整えられており、名勝庭園の「利休好みの庭」、国宝や重要文化財である「桜図・楓図」「松雪の図」などを拝観できます。
弘法大師は多くの場所で、真言宗を広めていたんだね!
智積院のご利益
智積院の御本尊は「大日如来を始めとする曼荼羅諸尊」です。如来は仏教・仏像の起源となる仏さまで、すべての根本となる存在といわれています。基本的にすべての願いに対してのご利益があり、どんな願いも救ってくださるという効果があるのです。
仏さまの世界でもランク(階級)があり、「如来」は最高ランクみたいですよ!
仏さまであること自体が尊いことなので、「それぞれの役割が分かれてる」のように考えると、わかりやすいかも♪
智積院の御朱印
智積院の敷地内でもらうことのできる御朱印は、以下の4つです。
智積院の見どころ
智積院は境内は拝観無料ですが、名勝庭園の「利休好みの庭」や、国宝や重要文化財である「桜図・楓図」「松雪の図」を拝観できる有料エリアがあります。自由に出入りできる無料エリアでも、充分楽しめる内容になっていますが、安土桃山文化を代表する桜図や楓図は、智積院のみでしか本物をみることが出来ないので、ぜひ拝観してみてください。
入り口から入ると境内は広く、ゆっくりと散策しながらお参りができます。
総門(正門)
智積院の総門は、七条通りのつきあたりにあります。しかし、普段は通ることができません。総門を正面にみて右へ行くとロータリーがあり、実際の入口となります。
冠木門(入り口)
冠木門と呼ばれる木の門は 「宗祖弘法大師千百五十年御遠忌」を記念し、1984年に、智積院檀徒から寄進されたました。金堂へと向かう参道への入り口となります。
正面参道
金堂へと続く参道の両脇には、松、梅、紅葉木が並び、季節によって風景の変化を楽しめます。紅葉のシーズンでは、鮮やかな紅葉道を見ることができ、訪れる人々に「趣」を感じさせるのです。
羅漢石(仏足石)
金堂の手前には羅漢石という名の仏足石があります。仏足石は仏像が作られる以前から、お釈迦さまの足跡を石に刻み、信仰の対象としたものです。仏教は、今から2500年ほど前のインドからはじまったとされています。智積院の羅漢石は、仏教の起源であるインドのブタカヤ寺院に残るものをまねて作られたようです。
命子育地蔵大菩薩
延命子育地蔵大菩薩は、こどもの成長を祈願し、水の精霊の供養をおこなっています。大きなお地蔵さまの足元に二体、腕の中に一体の小さなお地蔵さまがいる様子は、こどもを見守る気持ちがあふれでている情景です。
智積院 金堂
正面参道を道なりにまっすぐ進むと、智積院の中心部に金堂があります。堂内には本尊である大日如来が祀られており、祭礼のときには神楽や舞が奉納されます。1882年に火災によって一度焼失しており、1975年に現在の金堂が建設されました。
大師堂
大師堂は真言宗の宗祖である、弘法大師空海のご尊像を祀るお堂です。1789年に建てられました。
大師堂の左右にある弘法大師空海の二体の像は、大師堂を正面にみて、左側が成人期の姿、右側は幼少期の姿です。31歳のときに中国へ渡り、空海の師である「恵果」より真言密教の秘法を授かったとされています。
明王殿(不動堂)
金堂の右隣には明王殿(不動堂)があります。不動明王を本尊として祀っており、京都四条寺町の大雲院の本堂を譲り受けたものです。
不動明王は「智慧」と「慈悲」を象徴した仏さまです。智積院の不動堂は「近畿三十六不動尊巡礼」の第20番でもあります。
密厳堂
金堂の北東側にあるのが密厳堂です。1667年に建てられたお堂は境内の中でもっとも古い建物です。京都府指定文化財にも指定されています。
密厳堂は、開山堂または覚鑁堂とも呼ばれており、中興の祖である興教大師覚鑁を祀っています。密厳堂のあたりは参拝される方も少なく、ゆったりと静かな空気を楽しむことが可能です。
「中興の祖」の意味は、一度衰えていたり途絶えた物を復興させるということです!
求聞持堂
求聞持堂は、虚空蔵菩薩を祀るお堂です。文殊堂または護摩堂とも呼ばれています。有名な話のひとつとして、弘法大師空海がおこなった記憶力増進の方法と呼ばれる「虚空蔵求聞持法」は、虚空蔵菩薩の真言(仏の言葉)を100万回唱えるという内容があります。
三部権現社
三部権現者 は、智積院の総鎮守にして根来寺大伝法院以来相承の守護神です。正面に立つと、右から「春日大明神」「三部権現社」「九社明神社」とならんで祀られています。3つすべて、京都府指定有形文化財です。
名勝庭園
智積院の名勝庭園は風情があり、有料ゾーンにはなりますが見る価値があるといえます。観光する方も多くはないので、ゆっくり美しい庭園を見ることができる穴場スポットです。
智積院にはライブカメラがあり、参道や庭園の様子を配信しています。
ライブ配信を確認して、人が少なければ名勝庭園を独り占めできるかも!?
利休好みの庭
講堂の隣の大書院から見られる庭園は、豊臣秀吉の時代につくられています。江戸時代からの庭園の様相を残しており、1945年に日本の名勝庭園に指定されてます。「利休好みの庭」という名がありますが、実際に千利休が好きだったかは不明です。ですので、「利休が好きそうな庭」という方が正解といえるでしょう。心落ち着く景観は、千利休が好きそうだと考えてしまうほどの、美しい庭であることは間違いありません。
桜図・楓図
収蔵庫には、長谷川等伯一門による「桜図」「楓図」などの、安土桃山時代の貴重な障壁画が保管されています。安土桃山時代では、豪華絢爛かつ華麗な作風が好まれる時代でした。国宝にも指定されている煌びやかな襖は、かつての安土桃山時代の文化を体感することができます。
布袋唐子嬉戯の図
庭園の横にある大書院には、珍しいユニークな展示物も。それは1917年に、明治期の洋画家である田村宗立(月樵)によって描かれた「布袋唐子嬉戯の図」です。絵は「子供たちが笑顔で過ごせる、平和な世界を作ろう」という意味合いがあるとされています。布袋さんは七福神の一柱であり、大勢の子供とたわむれる様子を描かれることが多いようです。
脇参道
脇参道は金堂から鐘楼堂へ向かい、入り口へと戻る道です。無料で拝観できる紅葉エリアの中で、特に人気があります。智積院は穴場スポットですので、紅葉のシーズンでもゆっくりと楽しむことが可能です。
こんなにきれいな紅葉を、無料で観られるのは感動です!
鐘楼堂
鐘楼堂の鐘は「智専の鐘」とも呼ばれています。かつて豊国神社にあった鐘を移築して造設したものです。1616年に鋳造され、京都府の文化財に指定されていましたが、現在は1997年に鋳造されたものに変更されています。
毎年の大晦日には、23時30分頃から除夜の鐘の音が響きわたります。
鐘撞きは一般の参拝者も参加することができます!
智積院の守り札も頂けるみたいです!
智積院は「紅葉の名所」としては、意外と知られていない観光スポットです。ゆったりとすてきな紅葉を観る方、四季の移り変わりを写真に収める方など、人それぞれの楽しみ方があります。上記の写真は鐘楼堂の真横で、紅葉がトンネルのようになっており絶好の撮影ポイントでした。
智積院の隠れた見どころ
智積院には紅葉や名勝庭園以外にも見どころがあります。
智積院のあじさい苑
智積院は、あじさいを見ることのできるおすすめスポットとしても有名です。金堂の裏側の「あじさい苑」は無料で拝観することができます。見頃は気候によりますが、6月上旬~7月上旬です。大規模ではありませんが、色とりどりのあじさいをぜひ楽しんでみてください。
智積院の青葉まつり
智積院では毎年6月15日に青葉まつりが行われています。 青葉まつりとは、真言宗の宗祖である弘法大師空海と、中興の祖である興教大師覚鑁の誕生をお祝いする行事です。当日限定での催し物も多くあり、賑やかな1日となります。
智積院のアクセスと参拝情報
■住所 京都市東山区東大路通七条下ル東瓦町964
■電話番号 075-541-5361
■参拝時間 9:00~16:00
■拝観料 境内無料
庭園・収蔵庫は有料
対象者 | 拝観料 |
---|---|
大人 | 500円 |
高校生 | 300円 |
中学生 | 300円 |
団体20名以上の場合 大人(中学生以上) | 200円 |
団体20名以上の場合 割引価格あり | 1名につき 50円割引 |
■定休日 12月29日~31日
■駐車場 無料駐車場 200台あり
■アクセス 市バス100・206・208「東山七条」から徒歩5分
京阪電鉄「七条」駅下車、東へ徒歩10分
智積院のまとめ
智積院は、京都人にも意外と知られていない紅葉の穴場スポットです。境内には無料で拝観できる紅葉も多く、観光されている方も少ないので、ゆったりと紅葉を楽しむことができます。智積院の紅葉の見頃は「11月下旬~12月上旬」といわれていますが、気候によりズレがありますのでご注意ください。
紅葉や名勝庭園以外にも見どころがあります!
智積院へ訪れる前に、「智積院公式ホームページ」のライブカメラの映像も、ぜひ一度ご覧ください。紅葉の色づき具合、名勝庭園の混み具合などを確認することができます。
天気がよい日だと午前中から楽しめるので、他の観光地もまわりやすいね!
京都観光を考えている方は、紅葉の穴場スポットである智積院を、来訪リストにぜひいれてみてくださいね。
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