京都では、「今日は弘法さんの日やね~」という会話を耳にすることがあります。京都以外の方が「弘法さん」という言葉を聞いても、何のことか分からないこと方も多いのではないでしょうか。京都の方に「弘法さん」の愛称で呼ばれ、親しまれている弘法市とは何なのか?本記事では、京都東寺で開催されているお祭り、弘法市についてご紹介します。京都に訪れる予定がある方やお祭りが好きな方は、ぜひ参考にしてみてください。
□本記事の内容
- 弘法市の基本情報
- 弘法市の種類が豊富な露店の内容
- 弘法市の開催日時、場所
弘法市とは?
弘法市を一言で説明すると、「世界遺産・東寺(教王護国寺)で開かれている、何でも売っている楽しい縁日」です。京都府の東寺にて毎月21日に開催されています。たくさんの露店があり、骨董品はもちろん、食料品や衣料品、食べ歩きグルメなど種類も様々です。全国各地から観光目的で多くの方が来られ、朝早い時間から東寺付近では人だかりを目にすることがよくあります。
弘法市の歴史
真言宗の開祖であり、東寺を真言密教の拠点として発展させた弘法大師こと空海は、承和2年(835年)3月21日に入定しました。そして弘法大師が入定した日に、開祖の供養を行う法会である「御影供」を行うようになりました。
当初は3月21日だけのようでしたが、延応元年(1239年)からは毎月21日に行われるようになり、多くの人々が御影供の参詣に訪れるようになりました。もともと鎮護国家を祈る国営の寺院として誕生した東寺でしたが、弘法大師信仰の高まりもあり、庶民の信仰によって支えられる寺院へと変貌していったのです。
弘法市がお寺で開かれる理由
弘法市が開催されている東寺は、嵯峨天皇が弘法大師(空海)に下賜した真言密教のお寺です。空海が入定した4月21日(旧暦では3月21日)には、報恩感謝の法要・御影供が行われます。法要に訪れる大勢の参詣者がいることで、境内では簡単な食事やお茶を提供する商人が出てくるようになりました。今の弘法市のルーツであると言われています。
江戸時代以降には段々と規模が大きくなり、茶店だけではなく多くの商品を扱う露店が増えました。そして、今のように骨董品など様々な品が売られる賑やかな弘法市へと発展していきました。現在では、地元の方々に「弘法さん」の愛称で呼ばれ親しまれています。
毎月21日に行われる弘法市では、骨董品をはじめ1,200~1,300もの露店が出店されていると言われています。年間12回行われる弘法市ですが、毎年1月21日は「初弘法」、12月21日は「終い弘法」といわれ、一段と盛り上がります。
弘法市で楽しめる、多種多様な露店
骨董品、食料品、衣料品、植物、ハンドメイドのアクセサリー、陶器など色々な種類の商品が販売されています。食べ歩きグルメも多く、大判焼き、たこ焼き、やきそば、ベビーカステラ、焼き鳥、からあげなども。順番にご紹介していきます。
植物
植物はサボテン、盆栽、苔などたくさん種類があります。ドライフラワーや季節のお花もあり、珍しい植物も多いです。
オリジナルのモノ
「しずく玉チョーカー」は全てハンドメイドで、シンプルかつ可愛い見た目です。自分用に、または贈り物に購入される方もいました。昆虫型の模型の商品は細部までクオリティが高く、ずっと見ていられる繊細なつくりです。細かな技術力の高さが日本らしさですね。
ブリキのバイクは男心をくすぐる、クオリティも高く格好いい雰囲気がすてきです。ペットの飼い主さんが欲しくなる、名前をいれることができるオリジナルキーホルダーも人気のお店です。キーホルダーだけではなく、お皿、スプーンにも名前や自分が書いたイラストを入れることができます。弘法市へ来た思い出を、形に残すことができるのは嬉しいですね。
着物・洋服などのファッション系
着物や織物は特に外国人観光客の方から人気があります。質は良く、値段もお手頃で驚きが隠せません。
足袋、鼻緒、扇子など日本の昔ながらのモノや小物系、マスクの販売もしていました。商品は全て「100円」という激安価格には驚きました。ハンドメイドの染め物もあり、オシャレな服はセンス抜群です。
自宅用、お土産用に楽しめる食べ物
京都のお漬け物や山菜は自家製のものばかり。たくさんの店舗がオリジナルで製造されていて、どのお店で買うか迷ってしまいます。
ドライフルーツや昆布、佃煮の販売もあります。自分用、お土産用にも最適ですね。
食べ歩きグルメ
「厄除けきんつば」「台湾ワッフル」など、世代が違っても楽しめる屋台がたくさんあります。
「五平餅」は1本200円でした。お米のおいしさとお醤油の香りがたまりません。モチモチとした食感で1本食べるともう1本食べたくなる美味しさです。
寒い時期にはぴったりの「おでん」は、見ているだけで食欲がでてきます。「よもぎ焼き」は、生地に練り込んだよもぎの香りがふんわりと。通常の価格は150円でしたが、雰囲気の良いおじさんが「もう100円でいいよ~!」と割引してくれました。
14時を過ぎると出店されている方々は、撤収する準備を少しずつ始められます。弘法市の終了時間が近づくと商品を値下げすることも多いようですので、ぜひ狙ってみてはいかがでしょうか。
スーパーで買うよりもお得に買えるお野菜
お野菜はスーパーで販売されているよりもお得な価格設定が多いです。長いもは1本まるまるで200円。とうもろこしは5本で100円というお得過ぎる価格でした。目にもとまらぬ早さで売れていき、年配の方々の「いつも安くて嬉しいね~」という喜びの声も多数ありました。
お皿やグラス、陶器
食器系も数多く販売されています。値段は100円からの食器もあり、掘り出し物も多そうです。
ティータイムで使用したくなる陶器、お花を飾るための陶器があったりと、見た目も美しい商品はワクワクしますね。
レア?掘り出し物?
年代物の雑誌やフィギュアなどもあります。なかなか目にすることのないものも多く、中には販売されている価格よりも価値がありそうな商品もちらほら。掘出物を探してみることも楽しみの一つです。
弘法市の開催場所・開催日時
【開催場所】
■東寺
京都府京都市南区九条町1
【開催日時】
■毎月21日
■午前5時頃から準備が始まります。
午前8時頃にはお店が開いています。
■15時~17時閉店
店舗により閉店時間が違います。
※多くの店舗は15時頃から撤収準備をはじめます。
【駐車場】
■有
■弘法市の時は基本的にすべて埋まり、
東寺付近のコインパーキングも満車状態が多いです。
京都駅付近にとめて、歩いて行くのが無難です。
※京都駅から近いため、タクシーでの移動もおすすめ
【アクセス】
■JR「京都駅」・近鉄「京都駅」から徒歩15~20分
■近鉄「東寺駅」から徒歩5~10分
■京都市バスの場合は6,19,42,71,78で
東寺西門前、東寺南門前、東寺東門前、九条大宮の各バス停から徒歩ですぐ。
※弘法市の開催日は、東寺東門前のバス停は
運転を見合わせることがあるのでご注意ください。
【東寺のホームページ】
【東寺出店運営委員会(弘法市の運営情報)】
弘法市は天候に左右される?
野外で開催されている弘法市は天候が雨だった場合、開催されているのか心配になることもありますが、心配は全くありません。弘法市は雨天決行です。大きく荒れた天候でなければ、雨や雪でも開催されます。ただし、露店ですので雨の場合は出店されないお店も多くあります。
骨董品、古美術品も多く出店されているので、濡れてしまっては困る商品も多く、売られる品数も減ってしまいます。お客さんの数も雨が降っているとかなり減少しますので、14時~15時頃に早めの撤収をするお店も多くあります。しかしながら、雨が降っていてお客さんが少ないからこそゆっくりとお店を見て回れるという利点もあり、まだ売れずに残っている「掘出物」に出会える可能性も高いかもしれません。晴れの日ではなく雨の日を狙ってみる価値もありますね。
まとめ
本記事では、京都で開催されている「弘法市」についてご紹介しました。弘法市は京都府の東寺にて毎月21日に開催されています。骨董品はもちろん、食料品や衣料品、食べ歩きグルメまでなんでもあります。昔懐かしさを感じる「弘法市」は京都でしか味わえません。タイミングが良く京都に訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。